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バイクを愛してしまったら、手入れしてあげたくなるのは自然なこと。

 
 
2019.01.20

【特別寄稿】フリーライター中村友彦さんのTZR(1KT)-ICBM®インプレッション

2017年に1KT-ICBMを導入してから故障知らず!

 

 ‘15年から’85年型TZR2501KT)でレース参戦を始めた僕の戦績は、近年になってググッと上向いている。その具体例として、筑波サーキット・コース2000のタイムを挙げると、’16年までは110秒がなかなか切れなかったのに、’17年以降は18秒前後がコンスタントにマークできるようになって、現時点でのベストは17071
 


このレベルアップの最大の原因は、井上ボーリングの ICBM だ。と言っても、 ICBM は速さをウリにしたチューニングパーツではないのだが、既存の鋳鉄製スリーブで感じた焼きつき/抱きつきの恐怖が消えたことで、僕はライディングに集中できるようになったのだと思う。
 そう、 ’16 年までの僕は、何度もシリンダーとピストンの焼きつき/抱きつきを経験し、点検&整備でエンジンを開けるときは、いつも胃が痛くなっていた。でも ’17 年に ICBM を導入してからは、どんなセッティングでどんなライディングをしても、エンジントラブルは皆無で、その結果として点検&整備時のプレッシャーもゼロになったのである。
 もっとも、僕が 2 ストのノウハウを熟知したライダーだったら、純正の鋳鉄スリーブでも、エンジントラブルは回避できたのかもしれない。でも逆に言うなら、 ICBM にはオーナーの未熟さをフォローする資質が備わっていて、その資質が僕のレベルアップを支えてくれたのだ。
 

ちなみに、 ’17 年から TZR に導入した ICBM は、 60 時間以上の全開走行を経た現在でも、内壁は相変わらずピカピカで、ピストン側のダメージも皆無。だからこのまま使い続けても、まったく問題はないのだけれど、昨年末に新しい ICBM 、主治医のクオリティーワークスがポートに加工を行ってくれたバージョン 2 が完成したので、今年度はそれをメインにする予定である。おそらく、パワーアップを前提に製作したバージョン 2 も、僕のさらなるレベルアップに大いに貢献してくれるに違いない。
 

中村友彦: 2 輪雑誌業界 24 年目のフリーライター。基本的には大のツーリング好きだが、近年はサーキット走行に傾倒中。 ’15 年からは TZR250 で、筑波サーキットで開催される TOT ZERO4 クラスに参戦している。