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バイクを愛してしまったら、手入れしてあげたくなるのは自然なこと。


 
2019.11.30

伊豆 土肥温泉まで。

いや〜、昨日のツーリングは寒かった。
毎年1月末の一年中で一番寒い時に「激寒ツーリング!」なんてやっているので、寒さには慣れているはずだったんだけど、11月末のいままだそこまで寒いとは気づかず、準備不足だったかもしれません。
 
早朝の高速ではやたらと寒いし、手と足の感覚がなくなっちゃって、まっすぐ走ってる分にはいいけどこれで咄嗟の場合に対応できるのかな?なんて考え始めたら生きた心地がしませんでした。
全然愉しくなんかないです。ただ辛いだけ。
 

 
「なんでバイクに乗りたいなんて思ったんだっけ?」
心底そう思いました。
 
でもね〜、陽がのぼってあたたくもなり、高速を降りて西伊豆の空いているワインディングを飛ばすでもなく流しているうちに、今度は愉しくて堪らなくなってしまうんですね〜。これがオートバイなんですよ。(^o^)
 
すごい充実感があるんです。

 
車でいけば、絶対にもっと楽なのは間違いありません。新幹線や飛行機で旅行に行くのもいいでしょう。でも、それとは全然別なことなんです。オートバイ旅行って。
 
現代に例えば東海道や中山道などを徒歩で旅したらどうでしょう。クルマや鉄道で旅するよりずーっと過酷ではあるけれど、それはそれは発見や驚きや学びやそれに思索に満ちた旅ができるのではないでしょうか。
 
オートバイ旅行というのは、たぶん他の旅行よりもそういう徒歩旅行的な要素をはるかに多く含んだ移動方法の旅なんだと思うんです。しかもそれがクルマや鉄道並みの速さで体験できる。
 

 
たとえば昨日だと、高速と違って伊豆半島の地面の凹凸や起伏をすべてなぞって、右に左に曲がって登って降りて、移動していくことになるんですよね。
 
スポーツバイクというオートバイのジャンルの呼び方がありますけど、オートバイ旅行者はクルマと同じ道を同じような速度で走っていながら、やっぱり「スポーツ」してるんだと思います。
 

 
だからもちろん疲れもするし、楽でなんかないけど、それでこそイイんです。そうでなければ得られない充実感があるんだから。
 
多分オートバイに乗らない人に「伊豆まで日帰りでオートバイで走ってきたんだ。」って言っても、「へ〜。」としか返事がしようがないでしょうね。大したことだとは思われないでしょう。それで構いません。人に感心してもらうために、出かけるのではありませんから。
 
でも、1日オートバイに乗ってきた自分の中には他ではとうてい得られないほどの様々な感覚が体に脳にインプットされています。
 
昨晩は帰宅後の夢の中でまで、コーナーで路面の荒れ具合をうまく避けて安全で走りやすく走るラインを選び走り抜ける、その感触を感じとっている自分がいました。何度も何度もそんな夢を見ました。
 
今、こうしてキーボードを打つのに、まだ左手の薬指が痺れています。
 
そんないろんな圧倒的な感覚が、短い時間にたくさん流入してきているあの感じ。
 
走りながら右手に見えた、逆光で銀色に輝く斜めの海に、浮かぶように突き出て見えた岬の一瞬の画像。
短い休憩に見た、海の向こうでたなびく雲を従えた堂々たる富士の山。
 
路面の感触、痛む腰、コーナーの大きさ、悴む指。
 
そのどれもが、生きていることの実感です。
僕は絶対まだ死んでないと思います。生きててよかったとも思います。
 

 
昨日の帰宅時にはガックリ疲れていたのに、もう今朝はまた次のオートバイ旅行が愉しみなんです。
 
 
 
 
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