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バイクを愛してしまったら、手入れしてあげたくなるのは自然なこと。


 
2020.01.05

THE INSPIRING MACHINE #1

 

IHATOVO 145-ICBM® 


IB井上がモーターサイクルに求める自らの理想を丹念に分析し、まさにそれに適合するマシンを作り上げた。
モーターサイクルとは何か。現代におけるモーターサイクルの存在意義を根底まで掘り下げて、その必要条件・十分条件を適切に満たす乗り物として作り上げた究極の一台。
ICBM® 化が完了してほぼ1年半が経過。車体全体がほぼ完成の域に達したいま、あらためてご紹介したい。
 

「自分を縛るものはもう自分しかいない。」

そんなことはとうにわかっている。
なら問題は、いかにして自縄自縛の日常から脱出するか、だ。
 
そのために必要なのがINSPIRING MACHINE = MOTORCYCLEだ。
オートバイに乗って見えないバリアを突き破ろう。
 
 

「余、平生作る所の文章、多くは三上に在り。
乃(すなは)ち馬上・枕上(ちんじゃう)・厠上(しじゃう)なり」- 《欧陽脩「帰田録」

 
古来中国で言われてきた日常を脱して自由な発想を得るのに適した三つの場面が「三上(さんじゃう)」だ。
そしてその第一に揚げられているのが馬上。
これは現代ではオートバイに乗っている時であると考えることに異論はあるまい。
馬上で着想を得るために最も適しているのはどのような乗り物だろうか。
 
その時、馬は何者にも縛られない存在でなくてはならない。
 

THE INSPIRING MACHINEとしての条件

1.重力に囚われてはならない。できる限り軽くなくてはならないのだ。

4気筒や2気筒では重すぎる。シンプルな単気筒エンジンであることは必須だ。
排気量も大きすぎてはならない。無駄な重荷こそ最も忌むべきものだ。
思念を自由に羽ばたかせるには、羽のように軽い乗り物でありたい。
 
 

2.あらゆる道を走れなくてはならない。

整った道路を走れるだけでは不足である。天候の急変や不整地をものともしない走破性が必要だ。
一方で高速道路も走れるに越したことはない。
街であれ、荒野であれ、高速道路であれ一切制限なく躊躇いを知らない。
走れる場所に制限を受けてしまっては、心を自由に舞わせることなどできないのだ。
 

 

3.タフでなくてはならない。

すぐに音を上げるエンジンでは信頼に値しない。エンジンの不調が心をよぎるようでは着想の邪魔になる。
永遠のような耐久性をエンジンには求めたい。
 

 

4.どこまでも走れなくてはならない。

そのうえで、今の時代無駄に燃料を浪費するような乗り物はありえない。
役に立たない高馬力のための大排気量などはもっての外。最低限の燃料でどこまでも走れることが理想だ。
小排気量4ストロークエンジンの大きな美点は燃料消費率がいいこと。
たびたび燃料の補給を求められたり、残量が気になるようでは思考の流れが途切れてしまう。
 
 

5.操作性に優れなくてはならない。

レバーやペダル・スイッチ類などすべての操作系は軽く扱いやすく、思考の流れを妨げないものでなくてはならない。
もとよりトライアルマシンとしても必要とされる適性であり、イーハトーブはこの点に不満はない。
 
 
そのようなTHE INSPIRING MACHINEとして作り上げたのが、このIHATOVO 145-ICBM® だ。
もとよりトライアル的な軽さを備えたマシンであり、スリムな車体の取り扱いの軽さはいうまでもない。

ちなみにイーハトーブ の乾燥重量は95kgだ。YAMAHAのセローでも133kgというから公道走行モデルとしてはかなり軽い部類であることは間違いない。
 
エンジンにはICBM® を採用し145ccにボアアップ。登録も軽二輪となり高速道路も走行可能だ。もともと頑丈なHONDA縦型エンジンとICBM® の圧倒的な耐久性が相まって気難しさをいっさい感じさせない。
4ストローク小排気量の燃費の良さもそのまま、実績では40km/Lは走っている。

 

長距離走行を苦にしないちょっとした工夫も。
 

スリムな車体を邪魔しない小ぶりのタンクバッグを用意してiPhoneでナビゲーションを代替。
 
あらゆる点でTHE INSPIRING MACHINEの条件を軽々とクリアーするIHATOVO 145-ICBM®  
 
一方、精神を活性化し新たな着想を得るためには「速さ」などという無用な属性をオートバイに求めたりはしない。
飛ばすことに現を抜かすなぞしていたら斬新な発想などでてくるわけがない。
公道でオートバイに速さを求めたのは古の20世紀のことだ。いまそんなことをするのは時代錯誤でしかない。
 
21世紀におけるオートバイは、、、、
脳を刺激しインスパイアするために存在する発想獲得機械なのだ。
 
季節を直に感じ、土地のあらゆる起伏をなぞり、研ぎ澄まされたバランス感覚と見たこともない風景に脳を活性化しながら、今までにない距離感で日常を俯瞰することで得られる思わぬ発見・意外なパースペクティブ・もたらされる斬新な着想!
 
現代においてのオートバイの存在意義はここにあるのだろう。他のどんな機械やIT機器や本や芸術などに比べても、最も有効に脳を覚醒させてくれる機械式移動アート。
 
欧陽脩が馬上で得ていたというインスピレーションをいままた我々に届けてくれる。そのためにあるオートバイ。
 
それがiBが描くオートバイの理想の姿だ。

THE INSPIRING MACHINE #1

IHATOVO 145-ICBM® 

オートバイに乗って見えないバリアを突き破ろう。
 
 
さあ、新たな発想を得るために旅に出る準備は整った。
あとはIHATOVOに跨って海へ山へ湖へ街へと旅立つのみ。


 
 
                   -- 完 --
 
 
 
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